「お店への新型コロナウイルスの影響が目に見えて出始めたのは、3月の最終週あたりからです。データを見てもお客様の滞在時間が明らかに減り、稼働ピークの時間帯がかなり狭くなりました」(M氏/以下カッコ内は同氏)
「正直、うちは元々資金繰りが苦しい状態が続いていて、ここ最近はずっと赤字。銀行返済もギリギリで利息のみを支払っている状況なので、どの道先は長くありませんでした。が、そこにコロナ騒動が出てきて……急にお先真っ暗です」
最近の新台はほとんどのメーカーが1台40万円以上が当たり前。中古台をメインにしたとしても、さらに毎月のテナント料や、3~4人の社員と十数名のアルバイトの人件費、その他もろもろ諸経費や返済金を考えると首が回らないそうです。
それぞれいろんな考えの企業があるかと思いますが、M氏の勤める店舗のように一時的なものにすぎない目先の利益にしがみつく思いで営業を続けていた、また続けざるを得なかったパチンコ店が他にもたくさんあったことは事実です。
このお店は今回の休業によって、今後営業できる状態ではなくなってしまったため、現在は民事再生申請をする方向で話を進めているとのこと。コロナ前から合併や買収の話は出ていたそうですが、それがこの騒ぎでどうなるのかも分からなくなってしまったといいます。
「コロナ禍が収まり、もし営業を再開できたとしても、きっと先は長くないので転職を考えないといけないと思っています。確実に収入は減るので妻にもパートに出てもらうことになるかもしれません」
緊急事態宣言がすでに解除された地域では、パチンコ店の営業も徐々に再開が始まっています。入場制限や遊技台の消毒、BGMの停止、いつも以上の換気など、しっかり対策が施されているとはいえ、コロナの第2波、第3波が心配されている中で、またしても世の中やメディアでは賛否の声が飛び交うかもしれません。娯楽業界に関しては、安全に心置きなく楽しめる環境が整うのはまだまだ先のようです。
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