愛知・岐阜で「ZENT」のブランドでホールを展開する善都(愛知県)が開発・整備した新入社員研修(OFF-JT)が来春、他ホール企業向けの公開研修として開講する。
厚労省・人材開発支援助成金活用で企業の費用負担は大幅に軽減される。
ホール企業は常に人手不足の状態で、新規学卒者も数日のOFF-JTの後、現場に配属されOJTを通じて業界知識や業務を学んでいく。
一般的にOFF-JT期間は企業規模が大きいほど長い傾向がある。これは店舗人員に余裕があるということもあるが、初期教育の重要性の捉え方の差だろう。
社会人としての自覚はもちろん、企業のコンプライアンス、風適法事業者としてのコンプライアンス、接客接遇の知識、設備についての知識など、覚えなければならないことは多岐にわたるからだ。
愛知・岐阜を中心に「ZENT」の屋号でホールを展開する善都(愛知県豊田市)は2019年春の新入社員研修期間を大幅に伸ばし、22日間の社外OFF-JTに参加させた。
ビジネスマナーに始まり、小売業のマーチャンダイジング、マーケティング、接客、顧客管理、計数管理など多岐にわたるもので、従来の新入社員研修よりはるかに難易度の高い内容だった。
人材開発を担当する同社総務人事部の羽山雄介採用課長は、新入社員研修の拡充の理由をこう語る。
「この年の新入社員研修は外部の研修会社の『小売業コース』に参加したため、ホールの実務に直結しない部分もあったが、いずれは身につけてほしい内容でもあった。
ビジネスの全体像を理解した上で仕事を始めるのと、全体像を知らないまま目の前の業務をこなしているのでは、おのずと差が出るはず」
これに加えて、助成金を活用でき企業負担が非常に軽かったこと、助成金の申請手続きを理解したかったことも理由だった。
同社の場合、結果的には申請額の約9割が助成金として戻ってきた。
この経験を踏まえて同社は、愛知県を中心とした中小企業向けの社員研修で長年の実績がある研修会社(愛知県)と提携して遊技業界向けに特化した22日間のOFF-JTによる新入社員研修プログラムを整備し、今春の新入社員研修に導入した。
従来は店舗に配属する前のOFF-JT研修ではほとんど教えていなかった、カウンター業務、遊技台の入替、不正対策、依存症対策、計数管理なども盛り込んだ。
「年々、パチンコのことを知らない新入社員が多くなっているという現実があるため、業界知識や店舗業務知識は昔以上に丁寧に時間を割いて、店舗配属の前に教える必要性を感じていた。
これらをOFF-JTで一元化して最初に教えることで、店舗のOJT負担も大幅に減らせると考えた」
ヤンキーが敬語話すといいヤツってなるのと同じ原理かな。