新型コロナウイルスの感染拡大を受け、兵庫県による休業要請の対象になった県内のパチンコ・パチスロ店の2割近くが営業を続けていることが、県遊技業協同組合のまとめで分かった。
営業を継続する店に他市町からも客が集中している可能性があり、感染リスク増大も懸念される。
県は15日から、感染拡大防止のため遊興施設などに休業を要請した。
同組合も加盟383店に協力を呼び掛けたが、20日現在、69店が営業を継続。
同組合の甚田郁雄専務理事(68)は「全て閉まるのが理想だが、あくまで要請。
強制力がない」と頭を抱える。
加古川市内のあるパチンコ店では、開店前から入場整理券を求める人の行列ができる。
午後には駐車場が8割近く埋まり、神戸ナンバーの車も目立つ。
常連という70代男性は「車は普段よりも倍近くあるかな」。
明石市から訪れた20代のアルバイト男性は「近くの店は全部閉まり、仕方なく遠出してきた」と明かす。
県はパチンコ店を含め、休業要請に応じて売り上げが半減した中小企業に100万円、個人事業主に50万円を給付する。
営業を続ける神戸市内の店は「補償もいつ手元に入るか分からず、従業員の生活も考えると、続けざるを得ない」。
加古川市の別の店は「お客さんから『続けてほしい』という声が多い」と説明する。
パチンコ台の除菌やアルコール消毒液の配置などには取り組むが、時間や人数の制限はせず、1台ごとに間隔を空けるなどの対策も取っていないという。
県新型コロナ感染症対策本部は「開いているだけで、外出を誘惑することにつながりかねない。
各店には要請の趣旨を理解してもらい、協力をお願いしたい」とする。